Re.(6) 航空機を旋回させる力は?

  • 投稿No.1018 元投稿No.1017 無名さんへの返信
  • 投稿者:佐伯
  • 投稿日:2022-02-05 17:07:35

> ところで、前トピックのカナダ航空減圧事故が気になり報告書を読んでみました。
> 123便と比べて、爆発的な減圧が起こったにも関わらず、減圧症の負傷者もいない。某氏提唱の「機内に猛烈な風が吹き続け氷点下に曝される」による負傷者も機内状況の記述もありませんでした。
> タイ航空機爆発物事故も同様です。

私もざっと報告書を読んだことがありますが、凍傷を負ったなどの記述は見当たりませんでしたね。英文なので完全に把握できたわけではありませんが。
また、カナダ航空の事故事例が、日航機事故との比較としてこの掲示板でも上げられましたけど、DC-10の容積は概ねB747の1/2程度と思われます。
圧力減少を計算する数式(東大梶教授)がありますが、これは容積のパラメータを含んでいるので、B747とDC-10とでは明らかに圧力の減少の仕方、つまり、空気の流れ方が異なります。

非常に複雑な式なので数値をまるめて計算すると、1㎡の穴が開いた場合、1.0気圧から、噴流が音速以下に収まる約0.7気圧までに要する時間は、
日航機(B747)の場合で、約2.5秒
カナダ航空機(DC-10-10)の場合で、約1秒です。

カナダ航空の事故事例で客室乗務員が吸い出されそうになったことを強調する向きがありますが、そもそも小型のDC-10での空気の流れは日航機の2倍以上と見積もられ、しかも、客室乗務員は通路最後部、破壊された隔壁の直前にいました。カナダ航空の場合は、コックピットから「青空が見えていた」ことも特筆すべきでしょう。つまり、通路と穴が一直線上に並んでいたということです。空気の流れがその場で局所的に速くなるのはだれでも想像できるでしょう。

対して、日航機の場合、乗務員がいたのは中ほどに近い位置です。

条件の相違を無視して単純に比較するのは考え物ではありますね。

【修正】
大変失礼しました。
カナダ航空機テールコーン脱落隔壁破壊事故(1979年)は、DC-10ではなく「DCー9」でした。
「DCー9」は、DC-10よりもさらに小さく、容積はおそらくB747の1/4程度と思われます。

これなら、急減圧の程度は123便とは比べ物にならないほど激しくなりますね。