Re.(8) 富士山目撃にかかる検証

  • 投稿No.586 元投稿No.581 さんへの返信
  • 投稿者:せきたに
  • 投稿日:2022-01-05 23:32:21

 この事故に関心を持ったきっかけとなったのは角田四郎さんが著された『疑惑 JAL123便墜落事故』という書物だった。

 この書物の中で角田さんご自身、航跡図と照らし合わせると富士山が左側に見えるのは大月上空で360度の旋回中しかないと述べられていたことを思い出す。

 ところが落合証言を繰り返し読み返してみると、それではどうしても腑に落ちないことがあることに気が付いた。

 それは、落合証言では雲の上から左側やや下方に富士山を見ていることが記されているのだが、一方角田四郎さんの目撃談は低空飛行をしながら大月上空を旋回しているところを目撃されているところだ。

 私は角田四郎さんが目撃された飛行機が偽装機だったとは思わないが、そうすると航跡図とのギャップが出てしまう。そのギャップはどうして生じているのだろうかと考えたことがある。
 藤枝や焼津あるいは静岡駅で目撃されたという飛行機もそうだが、偽装機という概念はJAL123便があらかじめ墜落することがわかっていて、その墜落原因を隠したい場合にだけ可能性がある話だとは考えるが、それ以外は偽装機を飛ばして目くらましをする必然性がないと思う。(荒唐無稽だと言っているわけではない)
 ただ、墜落直前の川上村においても目撃情報に顕著な相違点(甲武信ヶ岳から川上村に来た後、西に向かって時計回りの航路で飛行して最後は急降下し、御巣鷹山に墜落したという情報と、川上村に来た後は北東に向きを変えて三国山上空まで飛行したが、その位置で今度は左旋回(反時計回りの航路を辿った)した上で急降下し墜落したという2通りの目撃談がある)があることについては不審な気持ちを持ち続けている。

 航跡図が正しかったとしても文系ちゃんの仮説の通り、大月上空を360度の右旋回中は機体にバンクが生じ、富士山を左下には見えにくい、むしろ富士山を左下に見られたのは左旋回中ではなかったのかという印象と個人差があるかもしれないが、落合証言の富士山に関連する描写から受ける印象だ。

 富士山の左側通過に関しては落合証言の中には富士山を左下に見ながら通過するまでの間、急降下したという表現がないことと、犠牲者の村上良平さん並びに河口博次さんの遺書整合性を考えた上でのことだった。
 
 「ゆっくりと左右に大きく旋回しているような動きがはじまったのは、酸素マスクをして、しばらくしてからです。
「パーン」という音から、たぶん10分くらいしてからのように思います。」
(『墜落の夏(吉岡忍著)』落合由美さんの手記からの抜粋)

 落合由美さんは「パーン」という音から、10分くらいしてからゆっくりと左右に大きく旋回しているような動きがはじまったと言われている。

 一方で〈ボーン〉という音を聞かれた直後の機体の様子について、地上からの目撃者は次のように語っておられる。
 東伊豆、河津町のタクシー運転手、近持芳太郎さん(58歳)と渡辺武夫さん(51歳)は河津駅前のベンチで休憩中に、この瞬間を目撃した。
「海側の北東上空で雷のような〈ボーン〉という音がした。見上げるとジャンボ機は機体後部から灰色の煙を出して駅の上まで水平飛行した。」

 「駅の上まで水平飛行した」とあるので、ゆっくりと左右に大きく旋回するような動きはこの時点ではまだ始まっていない。

 一方で犠牲者の村上良平さんの遺書には

 機体が大きく左右にゆれている
 18・30 急に降下中 
 と記されてあった。

 ということは、機体がゆっくりと左右に大きく旋回しているような動きがはじまったのは地上からの目撃者が上空で〈ボーン〉という音を聞いた後で、かつ18時30分よりは前のことであったことになる。

 落合証言では左右に大きく旋回しているような動きが続く時間軸の中で
「揺れはいっそう大きくなりました。もう立っていることはできないほどです。救命胴衣をつけ終わってすぐに、ほとんどいっせいに安全姿勢をとりました。」と記されている。
 左右の揺れは徐々に大きくなり、富士山を左下に見る直前は立っておられないほど機体が左右に旋回していたことになる。

 ところが18時30分よりも前に「機体が大きく左右にゆれている」と記されていた村上良平さんが
 18時45分「機体は水平で安定して」 と記されている。

 18時45分に「機体は水平で安定して」いたということは、落合由美さんが、富士山を左下に見られたのはこの時刻よりも前のことであったことになるのではないか。

 そうすると航跡図の中では大月上空しかないことになるが、大月上空360度の右旋回中では文系ちゃん指摘の通りどうもしっくりと来ないものが残る。

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