事故調の計算誤りの本質
- 投稿No.3804
- 投稿者:河津低空飛行説
- 投稿日:2025-01-11 22:50:21
123便のエンジンの最大推力は
約20t/基であり、4基の全ての
エンジンが、その60%を発揮し
定速飛行していたと仮定する
(エンジン推力T=20t×4×0.6=48t)
a1 エンジン推力Tによる
定常的な加速度(=0.000g)
a2 異常外力Fによる瞬間的な加速度
(DFDRの読み=0.047g)
エンジン推力T(=48t)
空気抵抗D
機体総重量=240t
-------事故調査報告書の計算の考え方-------
異常発生前の定速飛行
240t×a1=T-D (式1
(定速飛行にて a1=0 かつ T=D=48t)
この状態で異常外力Fが作用して
加速度a2が発生したのだから、
事故調査報告書に記載はないが、
240t×(a1+a2)=T-D+F (式2
としたと考えられる
一見正しく見えるが、
240t×a2=F (式3
この式3を、式1に代数的に加算して
式2になった形になっている
-------正しい計算方法-------
間違っているのは、式3であり、
これは実際の飛行条件とは異なる、
空気抵抗を受けない静的な式である
式3は正しくは、空気抵抗を受ける
実際の飛行条件を考慮した式、
すなわち、異常外力F目線の式
240t×a2=F-D (式4
でなければならない
なぜなら、異常外力Fにより瞬間的に
機体に加速度a2が発生した場合、
機体は時間の長短に関係なく
空気抵抗を受ける
この空気抵抗を乗り越えて初めて
定速飛行の上の速度域に向かって
加速度a2が発生する
よって、式4の右辺には必ず
空気抵抗Dを加えないとならない
また、エンジン推力Tは定速飛行に
全てが消費済みであり、瞬間的な
加速度a2を助けることは不可能
よって、エンジン推力Tを
式4の右辺に加えてはならない
以上より、
式4に式1を代数的に加算するまでも
なく、式4のみを使って異常外力Fを
導くことが可能である
240t×a2=F-D (式4
よって、
240t×0.047g=F-48t
よって、
11t=F-48t
よって、
F=11t+48t=59t
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『運動方程式を代数的に加算する場合、
正しい式どうしを加算しなければ
ならないが、事故調査報告書では、
それが十分に検討されなかった』
そもそも式1は、0=0 なので、
式1に代数的に何を加算しても、
式1は常に消滅することになる
結果的に、空気抵抗を受けない
静的な式3が残り、異常外力が
小さく11tと導かれた
なお、123便の異常発生の際、
僅かに加速度が検出されていたが、
これは計算過程で相殺されるので、
説明をシンプルにするため、今回は
定速飛行(a1=0)の条件とした
以上より、
異常外力59tが、事故調査委員会に
有利な条件で計算された与圧噴出力の
概算値(=異常発生直後にAPU防火壁
が受ける風荷重=約7.5t)と、概算で
すら紐付かないことが証明されたため、
『圧力隔壁説は成立しない』
少し怖くなってきました