事故調が主張する「修理ミス」は、本来ならば、あり得ません(2/5)
- 投稿No.3037
- 投稿者:玉ノ井重孝
- 投稿日:2023-11-02 16:33:59
<(1/5)から続く>
(4)ところが、いわゆる「しりもち事故」の修理では、「上半分は損傷していないので、残して、下半分だけを交換する」変則的な修理を行いました。
(恐らく、作業時間や作業コストを節約するのが、目的だと思いますが)。
(本来ならば、上記(3)のように、上半分側も含めた、半球形の全体を丸ごと交換するべきです)。
(5)そのため、胴体についたままの「上半分」と、新たに取付ける「下半分」とを、結合する「余計な作業」が必要になりました。
(6)(図4)のとおり、「上側の圧力隔壁(紫色)」と、「下側の圧力隔壁(緑色)」とをつなぎ合わせる時に、そのままでは長さが不足するので、
それを補うために、1枚板の「当て板 A+B」を両方の圧力隔壁の間にはさみ込んで、リベットで固定する必要が生じました。
長さが不足したのは、(4)(5)のように「本来なら行うべきではない、変則的なやり方をした」ためです。
(7)作業の順序として、「下側の圧力隔壁(緑色)」を、まず先に、胴体部に結合します。
その結果、これの上縁部が、「上側の圧力隔壁(紫色)」の下縁部と、都合良く重なり合えば、両者をそのまま結合できます。
(8)ところが、そうは問屋がおろさず、長さが足りなくなり、
「上側の圧力隔壁(紫色)」の下縁部と、この「下側の圧力隔壁(緑色)」の上縁部との間に、「必要とする重なりが、不足した」わけです。
(9)そのため、(6)のとおり「当て板」の登場です。
(10)この時、(図5)のように作業すれば、「何も問題はありません」でした。
(11)ところが、(図4)の作業をしてしまったので、「修理ミス」と事故調が主張しているわけです。
<(3/5)へ続く>