『日航123便墜落事件 JAL裁判』(青山透子著)からの抜粋 「出回っているボイスレコーダーについて」(その9)

  • 投稿No.2396
  • 投稿者:せきたに
  • 投稿日:2022-12-20 13:31:10

『日航123便墜落事件 JAL裁判』(青山透子著)には、原告側がボイスレコーダー及びフライトレコーダーの開示請求をした根拠について記されている。

以下33ページからの引用

 請求の根拠としては、JAL国内旅客運送約款にもとづき、123便の搭乗者520人全員に対して安全配慮義務に伴う信義則上(社会的にお互いの権利と義務は信頼と期待を裏切らないようにすべきとの審議誠実の原則)の情報提供義務、つまり安心して飛行機に乗れるよう乗客に対して正しい情報を提供して対応する義務がJAL側にある、ということである。また、墜落したからといってその義務が消えるわけではないことを確認し、本人ならびに遺族による開示請求権がある、としている。

 さらに吉備素子さんの夫への「敬愛追慕」の情に係る「自己を本人とする個人情報」として、遺族固有の人格権(プライバシー権)のうち、自己情報コントロール権に基づく開示請求権によって開示を求めた。判例でも、遺族が亡き人を大切に敬愛し続けて想う愛情と気持ちは、敬愛追慕の情と呼ばれて、法的に保護されている。

 市原和子さんは、実の弟への敬愛追慕の情に係る「自己を本人とする個人情報」として、遺族固有の人格権(プライバシー権)のうち、自己情報コントロール権に基づく開示請求権、及び自己情報コントロール権を手続きとして保障した個人情報保護法28条1項に基づく開示請求権を根拠に、JALに開示を求めた。

 また、憲法13条で保障されている幸福追求権の一部としてプライバシー権は、最高裁判所でも認められている権利である。

 このプライバシー権は、近年の高度情報通信社会化に伴って、当初の「一人にしておいてもらう権利」といった消極的な概念から、自分の情報をコントロールする権利という積極的概念に変容していることや、死者に関する個人情報であっても、亡くなった方の個人情報がその遺族にとって固有の情報であれば、遺族固有の情報となって(遺族自身の個人情報として継承され)開示請求の対象となり、これについては、例えば町田市の自殺した中学生の真相究明のために、死者の情報を保護者の個人情報として、子供が死に至るまで学校で何が起きたのかについての情報開示請求権を保護者に認めるべきとした事例もある。

 こういった大きな意味を持つ判例、書物、論文や過去の多数の判例を踏まえて、今回の訴状を構成していった経緯が説明された。

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