『日航123便墜落事件 JAL裁判』(青山透子著)からの抜粋 「出回っているボイスレコーダーについて」(その2)
- 投稿No.2371
- 投稿者:せきたに
- 投稿日:2022-12-10 21:06:07
『日航123便墜落事件 JAL裁判』(青山透子著)を更に読み始めてみると、出回っているボイスレコーダーが信用するに値するものなのかどうかについて記されていた。
以下54ページからの引用
私が2019年に、英国でインタビューをした現役の国際航空安全調査員協会所属、ICAOの委員も、「日航安全啓発センターでボイスレコーダーを聞いたが、そこで聞いたものやネットに流出しているものは、すべて音源をコピー&ペースト(切り貼り)し編集されたもので、背景音が一定ではない。声は同一人物かもしれないが、事件資料としてはいわゆる偽物の部類だ」と答えた。(詳細は『墜落の波紋』88頁以降を参照)。
パイロットや管制官とのやり取りは最重要な音声データであり、それらの会話は一定の流れの中でこそ信憑性があり、意図的に前後が入れ替わっては、全く違う会話になってしまうからである。
流出したことでよかったことがあるとすれば、この代物によって、墜落機を操縦していた海上自衛隊出身の高浜雅己機長へのバッシングが止まったことぐらいである。さらに同情する声が多数となって、JALのパイロットが、墜落直前まで必死に操縦していたという事実と、その切迫する状況がお茶の間に伝わったため、その効果は絶大であった。JAL側にとって世間からの中傷が止んで、安堵したのは事実である。
ところが、それが一人歩きを始めて世の中に出回り、今やネット上にたくさん溢れてしまったことで、「遺族が、いまさら何を情報開示請求するのか」とか、「なぜ、ボイスレコーダーを聞きたいのか」、「聞きたければネット上のものを聞けばよい」という雑音や無知の書き込みも出てきた。いまとなって思えば、これが匿名の提供者の狙いだったのだろう。
当初から、運輸省航空事故調査委員会は流出したボイスレコーダーは認めておらず、日航123便に関しては「航空事故調査報告書」(昭和62年6月19日)の311頁から343頁に文字で記載されたもののみを正式なものとしている。