Re.(17) ダッチロールがどうして減衰しなかったのか?

  • 投稿No.822 元投稿No.817 佐伯さんへの返信
  • 投稿者:風のたより
  • 投稿日:2022-01-16 13:11:51

佐伯さん

以下全てダッチロールと垂直尾翼欠損の関係性は不明確であるとおっしゃっているように聞こえますがそれでよろしいでしょうか?

> ダッチロール開始の要件として垂直尾翼欠損を挙げているわけではありません。
> 垂直尾翼が欠損すると特異なダッチロールに陥る場合があるのは確かだと思います。
> しかし、垂直尾翼が欠損していない機体もダッチロールに陥る場合はあります。健常の機は、垂直尾翼欠損の機とは異なる動きをするでしょう。
> 垂直尾翼があってもダッチロールに至る可能性はあるし、垂直尾翼がなくてもダッチロールに至る可能性はあるということです。
> だから、「垂直尾翼の欠損がダッチロールの【唯一直接的な】原因」とまでは思いません。理由は繰り返し丁寧に述べているつもりです。
完全に健常ならばロールが減衰するであろうことは言えたとしても、種々条件があるため、欠損面積の割合に応じてどの程度減衰が変化するかは分からないからです。欠損面積大小と減衰の程度の関係性についてデータをもっていません。

垂直尾翼の欠損面積とダッチロール減衰の関係を尋ねましたが、これに対しても実質回答なしということでよろしいでしょうか?
時間を費やしましたが、佐伯様から「123便のダッチロールが起きる真因ならびのそれの減衰の様子」に付いてお話しいただけなかったと理解します。

しかし、次のことは理解することは出来ました。ありがとうございました。
・機体尾部の横滑り、重心点周りのロールなど機体の挙動の際、左右に振れ回る垂直尾翼に加わる風の力がスタビライザーになる。
これは、自動車で言うところのFR車のドリフトにおけるリヤタイヤのグリップ力のようなものである。と理解しました。

以上の佐伯さんTosjiさんより授かった知恵で123便のダッチロールに関する考察を書かせていただきます。
(いろいろ、ご意見をいただくのは結構ですが、くれぐれも航空機の教科書に書いてある一般論は123便には通用しない可能性が高いのでおやめください。
これをやられると論点がずれて行ってしまします。ぜひ、物理的な観点からのご意見にしてください。)

佐伯さんもToshiさんも航空機に詳しいようですが、123便のAPU防火壁以降の機体の欠損について何ら触れられることはありませんでした。残念です。
通常、流線型に成形されたテールコーンでは層流で抵抗なく気流が流れますが、123便の場合引きちぎったような破断面になっていました。
これは、引きちぎられた断面部で剥離、渦流れが盛大に発生して大きな負圧を生じます。(以前天井の風で説明した件です)
その引きちぎられた断面はナイフで切ったような均一な切り口になりません。よって、破断面の周に発生する負圧も均一にならない可能性が高い。
この不均一な負圧により機体重心点まわりにモーメントを生じる。これによりダッチロールがスタートすると考えられます。
舵を切っても切らなくてもダッチロールはスタートしたと考えます。
ダッチロールの揺れに対し垂直尾翼の面積が不足することでスタビライジング効果が得られなかった。(これは佐伯さんに教えてもらった内容)
そして、ダッチロールの様相に関する詳しい話が佐伯さん、Toshiさんから出ませんでした。ダッチロールとは機体のヨーイングとローリングの組み合わせのことですよね。
これまで両名が主に語ってこられたのはどちらの運動に関するものでしょうか?ヨーイングですか?
ヨーイングに関しては、ヨー角が増大すると気流に対する機体の胴体側面面積(機体重心より後ろの方が長い)が増大しヨー角を戻す力も増大します。それによりヨーイングを打ち消しに行きます。
そのため、ある一定以上のヨー角にはならない振動特性を持ちます。
一方、重心点まわりのローリングはヨー運動の時のような打ち消し効果を持つものがありません。ですので、放置しておくと振幅が増大し続けるんじゃありませんか?
すると、DFDRに記録されたほぼ一定振幅のローリングの意味は何でしょうか?
誰かが、ロールの打ち消しを行ったとしか考えられませんよね。

簡単ですが、以上になります。