Re.(7) 垂直尾翼破壊の謎

  • 投稿No.2126 元投稿No.2119 風のたよりさんへの返信
  • 投稿者:文系ちゃん
  • 投稿日:2022-09-16 15:38:04

> 1、DFDR拡大図の中の「CWPの45秒から47秒にかけての右への振れ」と「CCPの38秒にピークのある下への振れ」は、36秒の異常な衝撃に対するタイミングから見ても、振れの持続時間の短いことからみても、操縦士の操縦によるものではありません。

> 2、DFDR図(全体図)を見ると、CWPは若干の時間のずれを伴いながら、RLLとほぼ同じ動きをし、CCPは、PCHと相関性の高い動きをしています。いずれも、操縦士の操縦による変動は皆無です。このことは、24分36秒の異常事態発生以後、CWPとCCPは機体の動きに反応して動いていたことを示します。

> 3、CWPは、油圧システムおよび信号線を介して補助翼とつながり、全体として一つの自動制御システムを構成しています。同様に、CCPは、昇降舵につながります。

> 4、正常状態ではCWPの指示に応じて補助翼が動きますが、油圧が消失するとCWPによる補助翼の制御が消え、極論すれば補助翼はブラブラした状態になります。信号線は生きていますから、補助翼の動きは信号線を介してCWPにフィードバックされますから、これが異常事態発生以後のCWPとして記録されます。CWPとRLLとが似たような動きをしているのは、このような理由です。

> 5、正常状態のCCPは昇降舵を動かしますが、油圧が消失するとCCPによる昇降舵の制御が消え、上記同様に、昇降舵の動きは信号線を介してCCPにフィードバックされますから、CCPとPCHが相関性の高い動きを示します。ただし、「CCPの38秒における振れ」は、まだ油圧が残っていて、昇降舵が衝撃に反応した結果だと思います。

> 6、話を戻しますと、異常事態発生前後の短い時間に、操縦士がなんらかの回避のための操作をした形跡はなく、『舵が斜め下方向』に動いたというのは、合理的根拠の無い誤解と考えます。

鷹富士さまへ

風のたよりさまとの議論盛り上がりのところ失礼します。
鷹富士さまが投稿No.2123にて書かれております内容、主に補助翼(エルロン)とCWPについての部分の確認ができればと思っております。
差支えなければになりますが、以下 お読み頂き、鷹富士さまの文章の解釈、そこからの推察として間違っている箇所がございましたら、ご指摘頂ければ と思います。

・操舵輪(以下輪)は電気信号線(ワイヤー)ではなく索(ケーブル)やロッド等のメカニカルなリンケージを介して補助翼(エルロン)と繋がっている

・油圧が正常であれば油圧により輪の操作に応じた角度にエルロンは位置するが、油圧がなくなればエルロンはぶらぶらと動くようになる

・エルロンは(風や慣性の影響もあるかもしれないが)主だってはダッチロール起因の機体のロール運動の影響を受け、時間的なズレは生じるがRLLのチャートと類似したような動きをしたと推測される

・実際の詳細なエルロンの動きは機械的なリンケージを介してCWPとして記録された。その際であるが、油圧正常であればパイロットの輪の操作がCWPとして記録されるところが、油圧喪失となればエルロンが動いてそれにより輪の側が動かされた様子がCWPとして記録されることになった

・油圧の有無に関わらず輪のポジション(回転角)とエルロンの作動角の関係性、相関はメカニカルなリンケージにより維持される

・油圧が正常である健全機を用いて、輪の角度を1度刻みで回転させていった場合のエルロンの作動角がどうなるかの相関表を作成しておけば、油圧が正常な機体だろうが、事故機のような油圧喪失状態だろうが、輪の回転角が判明すればその時のエルロンの作動角は推測できる。また、逆にエルロンの作動角が分かれば輪が何度の位置にあるのかの見当はつく

・DFDRのCWPチャートと上記の相関表を用いれば、事故機においてエルロンがどのように作動したか(作動角の推移)は推定できる

・一般的に事故機は油圧喪失後エルロンは動かなかったとされているが、実際にはCWPの記録から推定される角度相応に動いていたと考えられる

・これらの内容は操縦桿(コラム)の起き、倒れと昇降舵(エレベータ)の作動角における関係性にもあてはまる

以上になります。お手数をお掛けすることとなり恐縮ですが、宜しくお願い致します。
以下余談的にはなりますが、ご存じでしたらどちらが正しいか、こちらに関しましても見解を頂戴頂ければと思います。

操縦輪の操作とエルロンの動きについて、
A.輪の中立付近は機体が過敏に反応することを嫌って操作に対するエルロンの動きを鈍くし、逆にある程度切り込んだところでは輪の操作量が少なくて済むようにエルロンが大きく反応するようにしてある 
B.輪の中立付近では操作に対し大きくエルロンが動き機体が機敏に反応するようにされており、機体の反応が感じられないからとやたら輪を回してしまう事態が発生するのを防いでいる