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御巣鷹山の悲劇
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せきたにさんへ 嵐です。 垂直尾翼の点検口に蓋をするのは逆効果なのでは?と感じております。その理由についてはすでに書籍等で書かれているようですが、改めて整理してみます。 垂直尾翼が内圧で吹き飛ぶには次のような条件が必要になります。 それは与圧部から非与圧部へ漏れ出た単位時間当たりの空気量の大小で決まります。 だらだら時間を掛けて漏れるようであれば、非与圧部にある1psiで開くプレッシャーリリーフドアが開いてそれ以上の圧力上昇を抑えることができたはずです。 逆に単位時間当たりに漏れた空気量が多い場合は、プレッシャーリリーフドアが開いたとしてもそのドア開口絞り弁になってしまいそこからの空気の漏出にブレーキが掛かります。 そのため、垂直尾翼などの非与圧部へ回る空気量がドアからの漏出空気量をはるかに上回ることが起きれば垂直尾翼が吹き飛ぶ可能性は0ではありません。 そして与圧部から非与圧部への単位時間当たりの空気漏れ量は、圧力隔壁に空いた穴の大きさによって決まります。当然、穴が小さければプレッシャーリリーフドアが開いてそれで終わりです。 ですが、垂直尾翼の点検口に蓋をすると非与圧部の体積が半分以下になります。 これは補助エンジン防火壁を壊すのに必要な漏れ空気量も半分以下になり、隔壁に開く穴の大きさもそれにならって小さなものでも防火壁を壊してしまいます。 なのでプレッシャーリリーフドアの改良が先なのではないのか?と考えています。 そして単位時時間当たりの漏れ空気量は事故調査報告書の「肝」です。また、単位時間当たりの空気量は証言の「風の風速」として表されます。 空気が漏れ出る途中に客室内で吹いた風の風速が小さいと「圧力隔壁説」の根幹が崩れかねないと考えられます。 そのため「天井裏の風?」というスレッドにて話題にされて激しいやり取りがされたのだと思います。 私の知る限り事件や事故の調査の過程はおおむね「証拠集め」→「推理」→「検証」→「事実認定」の順序だと思いますが、 日航123便の場合は残骸調査という証拠集めでは圧力隔壁に空いた穴の大きさ形を確定できませんでした。 また、生存者の証言という証拠集めでは、減圧はあったが垂直尾翼を吹き飛ばすほどの空気漏れ量を示す証言が得られませんでした。 しかも、非与圧部に吸い出されているはずなのに室内の点検パネルが客室側に開いた。との証言まで出た。 上記2つの証拠を受けての「推理」段階では「圧力隔壁説」も含め多様な説が出たと想像できますが、なぜか事故調査報告書の書面では「多様な推理」はパスして「検証」に直行しています。 「検証」では、最初に非与圧部の静的な内圧による破壊強度試験で尾翼が吹き飛ぶに必要な静圧を求め、 その圧に達するための隔壁穴の大きさを求めることで隔壁に空いた穴の大きさを「推定」という形で示しています。 この検証作業はあるべき調査の流れに逆行しています。開いた穴の大きさが解らなかったため次のような手順になっています。 「証拠集め」→「圧力隔壁仮説建て」→「垂直尾翼破壊強度検証→隔壁穴面積推定」→「圧力隔壁説の推定」で終わっており「事実認定」がありません。 事故調査報告書に疑いを感じる人たちの疑念には、こうした調査手順の不自然さも含まれていると思います。 報告書を書いた武田委員長本人による「70点」の「推定」発言になったのもう頷けますね。 もし、再調査がかなう場合は、隔壁に空いた穴の大きさ形状を確定するのが先で、それに基づく圧力計算で墜落に至るようなダメージがあったのかが検証されるべきと考えます。 今の最新機材を使えば保存状態の良い隔残骸であれば最初に空いた穴の形・多きさを確定できると思います。
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