垂直尾翼の破壊-3

  • 投稿No.1756
  • 投稿者:鷹富士
  • 投稿日:2022-05-13 17:25:54

垂直尾翼は上端に飛翔体が衝突したことで破壊したことを証する情報を以下に列記します。

(1)事故調報告書「本文」のページ32の中程に「垂直尾翼・・・頂上部の損傷は・・・・」と記されているのは相模湾から回収された残骸に関することですが、この損傷は、上方から何かが衝突した事を示します。損傷の状態は、「米田憲司著・御巣鷹の謎を追う」のページ219からページ223に、詳細なスケッチにより説明されていて、衝突の強さや角度を推定できる有力な証拠です。海面に落ちた時にできる損傷ではありえません。ただし、米田氏自身は、事故原因を特定するのではなく、客観的に様々なデータ・見解・情報をを紹介するという立場に徹していて、それら情報の中の一つです。回収された残骸が保存されていたとしても、すでに整形されていれば直接の物証にはなりませんので、当時のスケッチが有力な手がかりです。

(2)生存者の証言の中にある、「うしろの方からパーンという音が聞こえた」というのは、垂直尾翼から胴体に衝撃が伝わり、局部的な破壊を生じたためと考えられます。

(3)垂直尾翼から胴体に強い衝撃が伝わり、圧力隔壁と胴体内側との結合部(Yコード)で部分的な断裂が生じます。圧力隔壁と胴体も部分的に変形します。このために、圧力隔壁と胴体内側の間に隙間を生じ、差圧によって空気が流れ、圧力隔壁直前の胴体内側に張られていた断熱材が、圧力隔壁の後方に流出します。この断熱材の断片は、回収された機体残骸で確認されています。

  2011年に運輸安全委員会が出した「解説書」のページ7、図ー5に描かれている断熱材流出経路には、次の疑念があります。
   (a)天井裏の空間が広く描かれているが、実際にはこれほど広くはない。
   (b)胴体には20~24インチピッチでフレームがあり、フレームの内側に天井板や室内壁板が付けられている。フレームが障害となって、天井裏の空間を空気が滑らかには流れない。
   (c)「解説書」のページ8、9に、事故調報告書に沿った圧力隔壁の破壊状況の説明がなされていて、開口部はほぼ中央にある。ところが、「解説書」の図ー5は開口部を上部に描いており、両者の説明は食い違う。事故調報告書に従うなら、強い気流は開口部付近に発生するので、中央部の断熱材が流出するはずで、天井裏からではない。圧力隔壁の中央付近の客室側に断熱材が貼られていたのかどうか、確認されていない。

(4)上記(3)によって、客室の空気が後方に抜け、客室の気圧が下がり気温も低下して霧が発生します。このことは、生存者証言で確認されます。しかし、圧力隔壁と胴体内側の間の隙間ですから開口面積としては小さく、事故調が論ずるような急減圧ではありません。
  この段階で、最後部の防火壁は脱落していますから、圧力隔壁と胴体内側の間の隙間は小さくても、またエアコンからの補充があっても、以降、客室の気圧は若干は低下した状態で継続します。この点も、生存者の証言に合います。

(5)CVRに、「ドーン」という音の前後に亘って、耳には聞こえない低周波の振動が記録されています。これは、垂直尾翼から胴体に強い衝撃が伝わった時の振動と考えられます。CVRは、圧力隔壁の後方、垂直尾翼結合部の下方に設置されています。

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