垂直尾翼の破壊-2

  • 投稿No.1742
  • 投稿者:鷹富士
  • 投稿日:2022-05-12 11:12:43

先の投稿No.1671で述べたことに続き、事故調報告書「別冊」の付録―6に関して、若干の追加をします。

(1)、ページ120の附図ー4の上から2番目、REACTIVE LONG. FORCEの図で、35.7秒にある25KLBSのピークは防火壁が脱落する際の反力だとされています。ところが、37.8秒前後にピーク値約12KLBSになり、その後、緩く減少するカーブが描かれていますが、この力が何を意味するのか説明されていません。「別冊」の付録―4、ページ75の附図―4で、防火壁前の6室の差圧は、脱落後0.1秒で急速に低下していますから、ここを通過する空気によるものではありません。仮に垂直尾翼が破壊されたとしても、狭い点検孔から上方へ出る空気によるものとも言えません。タイミング・大きさ・方向のいずれも適合する要因がありません。

(2)、ページ120の附図ー4の上から3番目、REACTIVE VERT. FORCEの図の36秒に、(a)で-35KLBS、(b)で-50KLBSをピークとする力が描かれていますが、これが何を意味するのか説明されていませ。この図で負方向は上向きの力を意味しますが、このタイミングで上向きの大きな力を生ずる要因がありません。

(3)、附図ー4の最上段に、ELEVATOR POS(昇降舵の位置)が描かれています。昇降舵が働いている場合として、3番目(b)のREACTIVE VERT. FORCEの値が、(a)よりも大きく描かれていますが、これは逆で、(a)が大きく(b)が小さくなるべきです。従って、異常事態発生直後、何秒かは昇降舵が働いていたことになります。なお、公表されているDFDR図には、ELEVATOR POSの図がありません。なぜ、この附図ー4にのみ描かれたのかわからず不可解ですが、少なくとも事故調は、昇降舵位置に関するデータを得ていたことになります。

上記(1)と(2)の問題は、この付録―6の解析において、尾翼から機体中央付近に位置する加速度計・主翼などへ、力や変位が伝わる時間を極めて短い時間(即時ないし0.1秒以下)だと想定しているから生じたことです。力や変位の伝播時間を正しく考慮できていないために、上記の意味不明の力が描かれます。正しく説明できる解析をしても、垂直尾翼に下向きの大きな異常外力が生じた、という結論には変わりません。

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