読書感想 「永遠に許されざる者」(小田周二さん 著) その4
- 投稿No.94
- 投稿者:せきたに
- 投稿日:2021-10-12 22:05:31
ファントム機との交信に関して「永遠に許されざる者」75ページ~76ページには次のように記されている。
「CVRに残された会話の断片からは、この横田基地への着陸を目前にして緊迫した事態が発生したことがわかる。CVRでは、ある時点から高濱機長の奇妙な会話が突然始まる。
相手の名前もその発言内容も記録されていない、それだけを読んだのでは意味不明な会話だ。
それはこのようにして始まる。
18:46:16 機長「このままで お願いします」
この 言葉は、それまでのCVRに記録されている他の高濱機長の語調とは大きく異なる。
高濱機長は元自衛隊パイロットであり、その語調は簡潔で命令調である。
しかし、機長のこの言葉は、上位の地位の人に対する人への懇願調なのだ。
したがって、これが事故機コックピット内の佐々木副操縦士、機関士に対するものでないことは明らかである。
さらに、これが東京の管制官との交信の言葉でもないことも明白である。もし管制官であれば、その前後に管制官の言葉がなければならないが、それは全然ないからである。
日本語で話されているからその相手は日本人であり、懇願する相手は地位的に格上の存在、機長でさえ下手に出なければいけない怖い相手なのだ。
その相手はすぐ近くにいる。飛んでいるのだ。」
書物にはこのように記されているが、残されたCVRとされるものには
機長の 「このままで お願いします。」
の前後に東京ACCの言葉が存在する。
18:46:09 ジャパンエア123、羽田にコンタクトしますか?(東京ACC)
18:46:16 このままで お願いします。(JAL123)
18:46:20 コンタクトしますか?(東京ACC)
18:46:21 こ、このままで お願いします。(JAL123)
18:46:27 はい、了解しました。スタンバイ、お待ちください。(東京ACC)
とあるので、機長の「このままで お願いします。」はファントム機と直接交信した言葉ではなく、東京ACCからの問いかけに答えられた言葉であることが明白だ。
ただ、JAL123便の近くにファントム機がいた可能性は残されている。
その根拠は
CVRに残された
18:26:30 あー、123便。違います。貴機を呼んでいない。(東京ACC)
(「貴機を呼んでいない」ということであれば東京ACCが呼ぼうとしていた機体がJAL123便の近くにいた可能性が考えられる)
という東京ACCからJAL123便への交信の言葉と、
角田四郎さんの「疑惑 JAL123便墜落事故」に著者自身の大月での目撃情報として以下のように記されているところだ。
後日、当時刻にこの空域にいた航空機が発表になり、私が二度にわたり見た機影が、日航機以外にあり得ないことも知った。
前述した北西にドンドン飛び去った三つ目の機影もこの発表から全日空小松行きであると判明した。
ただ、前には書かなかったが、私はこの時さらに二機の航空機を目撃している。
不思議なことに、この二機に関する記述はその発表航空機リストには見あたらない。私の目撃を証言する者もいない。
しかし私は確かに、その二機を木の間に見たのである。
(疑惑 JAL123便墜落事故 P60~P61)
私はすでに大月付近のキャンプ場で事故機目撃の2~3分後に、自衛隊機2機を目撃したと書き記した。
事故機の目撃18時42分頃~43分頃と推定できるので、自衛隊の戦闘機2機を見たのは45分頃になる。
すると日航123便が大月上空でループ飛行(一回転)した直後ということになる。
しかもそれは日航機と非常に近い距離を飛行していたことになる。
(疑惑 JAL123便墜落事故 P389)