アールファイブのドア

  • 投稿No.2616 元投稿No.2615 管理人さんへの返信
  • 投稿者:鷹富士
  • 投稿日:2023-06-03 14:59:02

CVRの35分34秒の箇所を事故調報告書は、
[いま、あのー、アールファイブのドアがあのーブロークンしました、、、、、]
としていますが、聞き取りの誤りです。

正しくは、[いま、アッパーフロアのドアがフルオープンしました]です。

[アッパーフロアのドア]は、操縦室の後ろ側にあり、2階の客室へ通じ、操縦室のF/Eが直接確認できます。

ドアが実際に壊れたなら、[壊れました]または[ブレイクしました]と言うはずで、[ブロークンしました]は奇妙な言い方です。
ドアの大きさを1m×2mとし、内外の差圧が1.52キロパスカルを超えれば、約300kgfの力がドアに生じているから、止め具が外れてドアは一気に開きます。
これを見てF/Eが[フルオープンしました]と言ったのを、ブロークンしました]に聞こえたということです。

事故調報告書別冊の附録ー4(P55)に、操縦室の気圧より客室の気圧が1.52キロパスカル以上低くなると、このドアの止め具が外れてドアが開くと説明しています。
1.52キロパスカルは、地上の通常の気圧、約1000ヘクトパスカルの1.5%です。
異常事態発生から10分余経過して、ごく緩やかに客室の気圧が下がっていった結果、このドアが開いたのです。
ドアが開いたのに気付いて、すぐに2階のスチュワーデスは閉めたはずです。

事故調報告書別冊の附録ー4のシミュレーション結果を示す図(P73)には、事故調が想定する隔壁破壊=急減圧があった場合、操縦室と客室の気圧差は、異常発生の1秒後に、2キロパスカルを超える事が示されています。
従って、仮に客室に急減圧があったら即時このドアが開き、F/Eの発声があったはずで、それがないから、急減圧はなかった証拠です。