Re.(5) DFDRの信用性

  • 投稿No.2012 元投稿No.2003 せきたにさんへの返信
  • 投稿者:せきたに
  • 投稿日:2022-08-14 23:00:30

鷹富士さんへ

> No.2005に関し、以下、補足します。
> 4、角田著のページ396から397にかけての仮説は、伊豆半島上空から大月旋回までの約20分、高度が低かったということです。
> その仮説に従ってDFDRのデータを変えるなら、ALTを変えるだけでは済みません。高度が下がると空気密度が上がるから速度(CASとTAS)も変わります。速度が変わると飛行距離が変わり経路も変わります。それによりHDGとRLLにも影響します。高度が下がるとフゴイド運動とダッチロールの周期と振幅が変わりますし、細かく言えばもっと多くの項目が影響します。
> 事故調のDFDR図では、1秒おきのデータを表示していますが、DFDR拡大図を見ると、項目によっては8分の1秒、あるいは4分の1秒間隔のデータが記録されています。
> これらの膨大かつ複雑ななデータを相互に矛盾の生じないように変えることは現実的には不可能と思います。
> 従って、角田著のページ396から397にかけての仮説は、文章にすれば10行程度ですみますが、DFDRの膨大なデータの改竄は不可能で、根拠の無い空想に過ぎないと思います。

『疑惑 JAL123便墜落事故』は角田四郎さんの推測は、目撃者情報や証言等を根拠に記されている。
『疑惑』に記されている目撃情報だけでもDFDRと大きく異なるものが多い。
JAL123便墜落事故に関して私が感じる不可解さはこの墜落事故には多くの目撃情報があるのだが、事故調発表の航跡はそれら目撃情報との乖離が大きすぎるということだが、そのことに違和感を持たれない方がいるということにも違和感を感じるようになってきている。

・『疑惑』21ページ 東伊豆の河津駅の北西の山側で畑仕事をしていた同町役場職員渡辺穣さん(45歳)の証言は「午後6時半前、ボーンという音で上空を見た。雲の切れ間からジャンボ機がふだんの二倍近い大きさで見えた。大きく右旋回したので不思議に感じた」という。
※「ふだんの二倍近い大きさで見えた」ということは鷹富士さんの数理計算の常識ではふだんよりもかなり低空飛行であったということにならないか?

・『疑惑』91ページ
東京都西多摩郡五日市町入野750-1 南澤輝明さん(35) 会社役員の証言
 あの日は私の誕生日なので、よく憶えています。町の南側にある今熊山(八王子市美山町)の方向から、大きな飛行機が現われ、北北東の方向へ水平にゆっくり飛んでいた。秋川や町の上空を横切って日の出町方向の山へ消えました。五日市高校の上空あたりを飛んでいる様子でした。横田米軍基地に降りると思いましたが、普段米軍機は低空でこんな所を飛ばないので墜ちるのでは・・・・・・と感じました。時間は午後6時45分頃の20~30秒間です。
※DFDRによるとこの地点には来ていないことになっている。

> 5、大月上空の旋回は、DFDRの解析以前にレーダー情報により得られたものですから、この位置は大筋で正しいでしょう。
> 毎日新聞記事の「座間の東9キロの上空で同高度に達し」と「管制から『緊急機の視認ができるか』・・・」の間に、
> 東京新聞記事の「同ポイントの東9キロ地点で」と「前方のやや右上部に123便の機影を視認・・・」の間に、
> 本来は、それぞれ1,2行の文章があり、時間も5,6分経過していたのに、何らかの理由で編集の段階で飛ばされたと推測されます。
> このように推測すれば、全てが矛盾なく説明できます。
> その当時の編集者にとって、小松便の機長が日航機の旋回を視認したことで充分であり、時刻・場所を厳密に記す必要を感じていなかったと思います。

最初の報道(8月16日の東京新聞朝刊)では明確に午後6時半すぎに123便の機影を視認した、と記されているじゃないか。(『疑惑』322ページ)
「8月16日の「東京新聞」朝刊」
「12日夕、羽田発の定期便で、ザマ・ポイントに向けて飛行中、ACCに24000フィートへの上昇許可を求めたところ『18000フィートを維持せよ。緊急通報を発している期待がある』と通報され、初めて近くに123便のジャンボ機がいることを知ったという。
 このため前方を注視していたところ、午後6時半すぎ、同ポイントの東9キロ地点で、前方のやや右上部に123便の機影を視認した。

※この記事が8月23日朝刊の毎日新聞では「午後6時30分、羽田を離陸。」と内容が変えられてしまっている。また、JAL123便が大月上空で高度6000メートルであったとすれば角田四郎さんの目撃情報を否定することにもなる。(角田四郎さんは大月上空を飛ぶ旅客機の窓がくっきりと見えたと言われており、旅客機の窓は機体を横から見たときに真ん中やや上に配置されているので、窓がくっきりと見えるためにはジャンボ機の飛行高度が地上からの角度的に窓が見える程度に低くなくては物理的に無理で、高度が6000メートルでは下から上を見上げる角度となってしまうので目が良くても窓の位置を目視することは出来ない。更に全日空小松便同様の高度だっととするには両方を目撃された角田四郎さんの見え方が大きく相違している)

> 6、次に、せきたにさんとの議論の発端になった、川上村から先の飛行経路について説明します。
> まず、日航機が川上村から北上して、55分30秒時点のDFDRのデータを解析します。
> TAS(真大気速度)は250kt(秒速128.5m)を示しています。
> HDG(機首方位)から、変化率(dH/dt)を計算すると、毎秒0.0488ラジアンとなります。(2πラジアン=360度)
> 旋回半径を計算すると、128,5÷0.0488≒2633m が得られます。
> 旋回による遠心力を計算すると、機体質量をMとして、f1=M×128.5×128.5÷2633≒6.27M(N)が得られます。
> RLL(ロール角=機体の傾き)は、ダッチロール運動のために細かい波動があるので、その中間点を読むと約40度を示しています。
> 向心力としては、f2=M×9.8×sin40°≒M×9.8×0.643≒6.3M(N) が得られます。 (9.8は重力の加速度)
> 上記のように、若干の読み取り誤差を認めると、遠心力と向心力はつりあっていることが確認できます。
> 大月上空の旋回についても、同様の確認ができます。
> 次に急旋回した場合を解析します。
> 仮に、速度を上記に保ったまま、旋回半径を2000mにすると、遠心力は
> f3=M×128.5×128.5÷2000≒8.26M(N) となります。
> これにつりあう向心力を生ずるRLLは、約57.5度になります。
> f4=M×9.8×sin57.5°≒M×9.8×0.843≒8.26M(N)
> cos57.5°≒0.537 ですから、主翼の揚力が機体を垂直方向に持ち上げる力としては半減し、墜落していきます。
> つまり、半径2000m以下の急旋回をしたら、数百メートルも飛行できずにジャンボ機は墜落するということです。
> 油圧を失い操縦性を失った日航機は、急旋回はもちろん、右旋回から左旋回へ、さらに左旋回から右旋回、というようなアクロバット飛行は不可能です。
> 川上村の目撃情報の一部は、錯覚か誤解か誇張に過ぎないということです。

・『疑惑』97ページ
石川さんらは、12日午後、長野県南佐久郡川上村梓山の実家近くにある畑で、レタスの葉の消毒作業をしていた。墜落現場の南約6キロの地点だ。あたりが薄暗くなり始めた午後7時ごろ、東南にある甲武信ヶ岳(2475メートル)の北側の尾根から、突然、大きなジェット機が姿を現した。飛行機は石川さんら数人が働いていた畑のほぼ真上を西方向へ通過。「まるで石を投げたら当たるような超低空飛行だった。真上に来た時は空が真っ黒になるように感じた」と石川さん。
飛行機は千曲川にそって西に進んだが、正面には扇平山(1700メートル)が迫っていた。右翼を下げて飛行機は約90度右旋回した。が、進行方向には三国山(1818メートル)がある。
「もう、ぶつかるかと思ったが、機首をぐっと持ち上げて、山の斜面をはうように上昇していった。機首の上部が後ろからでも見えるほどの急角度のまま、やっと尾根を越えた。
※鷹富士さんの指摘されるところの、飛行速度に応じて旋回する場合の限界最小半径は計算によって算出されるだろうが、目撃情報が語る高度と方向はDFDRとはまるで異なるが、川上村における目撃情報の多くは石川さんらの目撃情報と酷似している。

※DFDRを改竄することが難しいのは理解できている。余談だが、自分がシステムエンジニアだとして、他人が1000時間ぐらいかけて作成されたプログラムにバグが時々出てきて、どこに原因があるかわからないという場合、そのプログラムの全体を理解してからバグを修正するよりも、同様のことが出来るシステムを自分のやり方で一から作るほうが楽だと言われている。そして、どのようなプログラムも実用化される前にはシュミレーションを重ねる時期があるはずだ。DFDRというシステムがはじめて導入されたとき、まさか実験を経ずしていきなり実際のフライトで使用されたわけではないだろう。